RETO3Dの現像・データ化・動画化について
JUGEMテーマ:写真
視差を使った「立体写真」は古くから存在します。立体写真を見るためのビューアーなどもあるなど、フィルム時代に愛好家がたくさんいたようです。そんな立体写真をいまの時代に復活させたフィルムカメラが「RETO3D」。クラウドファンディングで人気を博し、現在一般流通も開始しました。
こちらがRETO3D。レンズが3つあり、一度のシャッターで角度がわずかに異なる3カットを同時撮影。これをスマホアプリで動画化することで、チラチラと少し動きのある画像を楽しむことができます。使用フィルムは通常の35mm(135)フィルムです。
こちらが裏ブタを開けたところ。このように3コマが撮影できます。つまり、通常の1コマではなく1.5コマ分が1シャッターで使われるということ。36枚撮りで約25セットを撮影できます。
さて、現像はどのようにすればいいでしょう。いつもお世話になっているポパイカメラ(東京・自由が丘)にフィルムを持ち込み検証しました。現像だけであれば35mmカラーネガフィルムと同様ですが、各コマをどうするかが問題です。GIF化するには1コマずつのデータが必要。1コマのサイズはハーフカメラと同じですから、ハーフカメラ用のキャリアを使用すればなんとかなるのでは、と思いましたがそんなに甘くありませんでした。ハーフカメラ用のキャリアを使っても、コマ間の関係で自動で全コマを読み取ることはできないのです! つまり、1コマずつ手動で切り出していくことが必要なため、ちょっと手間がかかることになります。
ポパイカメラでRETO3Dで全コマバラバラデータにしたい場合
(1)RETO3Dで撮りました!と伝える
(2)通常の現像+データ化料金に加えて「600円」で全コマバラバラのデータにしてくれます
はい、例えばこんな感じで1レリーズ、3コマのものがバラバラの画像データになりました。一見すると同じ画像に見えますが、わずかに角度違いです。これをアプリで読み込んで合成します。
こちらがアプリのダウンロード画面。610円のPROもありますが、今回はフリーバージョンを入手しました。
カメラロールに保存した3コマを選択して読み込みます。
そして次がポイント。画像のどの部分を軸にして画像をチラチラと動かすかをセレクトします。だいたい画像の中央部分にすることが多そうな気もしますが、中央付近からズレても瞳など目立つ場所にしてもいいかもしれません。3コマ全て同じ場所をセレクトしていきます。
3コマのポイント選択が終わると結合へ。形式はMP4での保存となります。GIFかと思っていましたが勘違い。PROにすると、ライトリークの加工が入れられるなど、豊富な機能を使えますし、ロゴなども入らなくできます。
このブログにはMP4はアップロードできないので、instagramのリンクを貼っておきます。
https://www.instagram.com/p/
https://www.instagram.com/p/B6MsKQngIWP/?utm_source=ig_web_copy_link
https://www.instagram.com/p/B6IKXLkArZZ/?utm_source=ig_web_copy_link
さて、RETO3Dで撮影した1コマはハーフカメラと似たサイズです。1シャッターで3コマ、36枚撮りで25シーンしか撮れないため
「倍撮れる!」というわけにはいきませんが、一応トイカメラ的な描写をするハーフカメラ的な機種としてもしても楽しむことができます。
このように、1コマ1コマを楽しむこともできます。ちょっと贅沢ですが!
さらにもうひとつ、3コマを1枚の写真として楽しむ方法もあります。ポパイカメラでは「パノラママスク」を使うことで、3コマを1枚の画像データにしてくれるのです!
ポパイカメラでRETO3Dで3コマ1組データにしたい場合
3コマ1組データ 1カット=180円
完全に手動での作業となるためにお金は掛かりますが、お気に入りのシーンを3枚連続写真にしてみるとおもしろいです! 下記のようなデータになります。こうみると、縦こそハーフカメラと同じですが、幅は少し太めですね。独特の縦横比かも。
以上、RET3Dの現像データ化に関するレビューでした。
RETO3Dは現在購入できる箇所がなかなかない状態。楽しいカメラですので、早く買いやすくなるといいですね!
期限切れフィルム、色補正でどう発色が変わるのかの実例です
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フィルムには使用期限があります。パッケージに必ず印字されています。では、それを期限が過ぎるとどうなるのでしょう。ズバリ、正しい発色、正しい明るさ 、正しい粒状性、正しいコントラストで撮影ができなくなります。フィルムが古くなると、感度が低下して写真は暗めに写り、また発色も悪くなるのに加えてフィルムのベースカラーが強調された発色になります。そしてザラザラに。よくフィルムは一度でも高温に熱せられると劣化すると言われますが、暑い夏を何度も放置されてきたフィルムはかなり劣化が進むはずです。しかし、この鈍いザラついた発色こそを求めて、「フィルムをワインのように寝かす」という猛者すら存在。期限切れフィルムは偶然安価で見つかることがありますが、ゴミだと思わずに、その熟成度合いを楽しんでみてはいかがでしょう。
ここで実例をひとつ。たまたまアンティークショップで2002年5月が期限の「コニカカラー センチュリア200」を入手しました。いまは富士フイルムとコダックがカラーネガの2大メーカーですが、かつてはコニカカラーも大きなシェアを誇っていました。コニカの期限切れフィルムはときどき見かけますが、コニカのカラーネガの期限切れフィルムは総じてピンクに色転びします。補正を強めると少しは正しい色が出てきますが、それでも限界はあり、またザラザラで発色の鈍さは残ります。
まず、写真店で期限切れフィルムで色転びを起こす旨を伝えて、敢えて色補正をせずにデータ化をしていただいたカットです。見事なピンクワールド。これはこれで、モチーフ次第ではありかもしれませんね。
続いては写真店で自動補正をオンにして普通にデータ作成をしていただいたカット。写真店ではカラーネガフィルムからのプリント&データ作成時、正しく好ましい発色にするため色補正を自動的にする機能が付いています。それなりに発色していますが、とにかく眠いです(褒め言葉)。最近はローキー写真も人気ですが、ローキーを難なく作れるのはありがたいですね。
そして、自動補正データをPCで読み込み、Photoshopの自動色補正をさらに適用するとこのようになります。発色はわずかに改善するものの、フィルムらしいなめらかさが影を潜めて粒状感が目立つ結果となりました(褒め言葉)。無理な色補正の結果でしょう。クロスプロセス現像などをしたかのような荒々しい印象となり、ワイルドさ満点です。
全て同じフィルムとは思えない結果となりました。期限切れフィルムを入手したら、写真店でどんな注文をするか、またどんな仕上げを目指すかの参考にしていただけると幸いです。でもこれはコニカ製センチュリアの結果。他のメーカーでは結果はもちろん異なると思いますし、寝かしの長さでも変わると思います。その一期一会が魅力ですね!
プチブレイク中ロシアンレンズ、MC ZENITAR-M2s 50mmF2×フィルム撮影
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ひとつ前のエントリーで取り上げた、現在プチブレイク中のぽってりデザインのロシアンレンズ「MC ZENITAR-M2s 50mmF2」。これを最近、フィルムカメラで使ったのでご紹介しておきます。ボディはEOS1、マウントアダプターを使い装着しています。M42マウントのフィルム一眼レフカメラは、かなり古いものしか存在しないため、露出はマニュアルで行うのが基本です。僕は案外開放絞り付近ばかりを使うタイプで、またISO400のフィルムを使うことが多いので、高速1/8000秒シャッターを搭載しているEOS1は重宝するのです。また、ぽってりしたレンズと流線型のEOSはデザイン的にもハマります。
こちらがMC ZENITAR-M2s 50mmF2。
使用したフィルムは
Kodak ULTRAMAX 400。クセも少々、発色良好。使いやすいレンズです。
ロシアンレンズの代表格、ヘリオス44−2よりもオールラウンドに使えるかもしれません。
野焼き。
濃厚青空と濃厚ピンク。
岐阜県山県市でよく撮りに行く物置代わりになっている軽。
最短撮影距離付近。かなり寄れます。
洞窟の中から外を撮る。
大ブレイク中フィルムコンパクト「CONTAX T2」
コンタックスT2が大人気となっております。中古店ではかなり品薄・価格高騰…。でも欲しい!という方は多いと思います。僕は5年ほど前まで所有していましたが、どんなカメラかをザッとブログに書いておこうと思います。
▲こちらがコンタックスT2。
フラッシュ部分が茶色くなっていますが、この症状はよく見かけます。
まず描写です。カールツァイス製のゾナー38mmF2.8が搭載されております。ツァイスレンズは豊かな色乗りが特徴のレンズですが、T2も肌色の深み、緑など原色の濃厚さなどが味わえます。後継機のT3になると、いわゆる「ヌケが良い」という感じですっきりさわやか。濃厚さよりも緻密さといった感じです。僕もなんとなくT2は濃厚くらいにしか感じてなかったですが、昨年T3と同一シチュエーション&同一フィルム&同一プリント設定で撮り比べしたんです。そうしたら、もう明らかな差がありました。T3の繊細さを好む人もいると思います。でも、カラーネガフィルムの暖かみが感じられるのはT2の方かもしれません。
続いて操作感。これはT3の方が全体的に親切ですね。レンズにある絞りリングを「F2.8」にするとプログラムAEになります。F2.8では光を取り込みすぎて露出オーバーになる場合、絞りを自動的に変更して最適な露出にするということ。F4以下に絞りリングを設定すると絞り優先AEとなり、露出オーバーになっても設定絞り値で撮影するという仕組みです。ちょっとわかりづらいですね。AFがしっかりと合うのもT3でしょうか。濃厚な発色を活かした人物ドン!みたいな撮影ではピントはちゃんと合いますが、咄嗟に撮るようなスナップではピンボケになることもあると覚悟しましょう。まあ、ピンボケの風合いもオーケーというのが趣味のフィルムの世界ではありますが、ザッと昔撮った写真を見返すと、36枚中7〜8枚はピンボケという感じでした(ちなみに、僕は撮るの雑なので参考までに)。
そしてカメラの質感。これは相当に高級感あります。他に高級コンパクトというと、リコーGR、ミノルタTC-1、ニコン28Tiなどさまざまなものがありますが、まあワンランク上という感じがします。剛性感と重量感が違う感じ。この真冬の季節ですと、ヒヤッとする金属感が素敵です。電源をオフにしたときの、レンズバリアが高速で閉じるさまも、スターウォーズでやけにスピーディーに閉まる扉みたいな感じで楽しいです。
T2をお探しの方、良い個体と巡り会えるといいですね!
ハーフカメラ「PEN EE-3」で遊ぶ
黄色に転んだ発色が独特のリバーサルフィルム「Rollei Digibase CR200」
ワークショップ「フィルムカメラマニアックス」で撮った写真たち
10月12日、写真家・菅武志さんとのワークショップで撮影した写真
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