2014.02.26 Wednesday
ムック「中判カメラの教科書」発売1周年企画。「白黒120フィルム撮り比べ完全版2・フォマパン&ロモグラフィー編」
ムック「中判カメラの教科書」発売1周年企画、「白黒120フィルム撮り比べ完全版」の第二回目は、フォマパン&ロモグラフィー編です。フォマパンは、チェコのフォマ社が作っているフィルム。取り扱い店舗は少ないですが、まさに「ヨーロッパ調」というトーンが素晴らしいと思います。ロモグラフィーのフィルムは、やはり白黒フィルムという分野であっても、さすがロモグラフィーという個性的な写り。感度100、感度400の二種がありますが、こんなにも性格が違うのか!と驚きました。
こちらも、使用カメラはマミヤRB67。レンズはセコール90mmF3.8。撮影場所は多摩湖の堤防であります。
foma FOMAPAN 100
実勢価格:約500円(120/1本)
とても柔らかで、グレーが雰囲気いっぱいに出ています。これはハーフトーンをしっかりと出すとうフィルム設計によるものでしょう。どこかセピア調にも見える描写は、ヨーロッパの香りという感じがします。
foma FOMAPAN 400 Action
実勢価格:約500円(120/1本)
感度100と同様に中間トーンが豊富。やはりグレーが印象的な写りです。粒子感がよりレトロな風合いを助長しています。
Lomography Earl Grey 100
メーカーサイト販売価格:1,780円(120/3本)
衝撃を受けるほどのくっきりさ。まるでクロスプロセスの白黒版のようなハイコントラストです。唯一無二の描写をします。
Lomography Lady Grey 400
メーカーサイト販売価格:1,980円(120/3本)
FOMAPAN 400に似たハーフトーン重視、雰囲気重視の描写。粒状感はさらに強く、クラシカルな雰囲気を楽しめます。ちなみにFOMAPAN 400と裏紙などのデザインも似ており、ひょっとしたら同一なのかも、と思ったり思わなかったり。
以上、フォマパン&ロモグラフィー編でした。
僕も中判カメラは使いますが、この比較検証をした後、実を言うとフォマパンをかなり集中的に使いました。だって、この印象的なグレーを見たら、使わないわけにはいかないじゃないですか! そして、Lomography Earl Grey 100とLady Grey 400ですが、正規オンラインショップでは品切れ中。35mmは在庫ありでした。僕は量販店で残っていた在庫を見つけ購入。現在もどこかにあるといいのですが…。
ほんと、白黒フィルムはおもしろいですよね。さらに自家現像を自分なりのレシピで行ったり、手焼きで思い通りのプリントを作るという作業が加わると、もう病みつきになること必至。僕の中では、明らかにカラー写真とは違う性質のもので、それは撮るときの視点もですが、行程も含めて、「よし、白黒やるか」というような覚悟みたいなものが必要だったりします。それくらい、奥が深いし楽しみも多いということじゃないでしょうか。
amazon/中判カメラの教科書
2014.02.26 Wednesday
ムック「中判カメラの教科書」発売1周年企画。「白黒120フィルム撮り比べ完全版1・イルフォード編」
2013年2月27日に発売された「中判カメラの教科書」。発売から1年経過したいまも、おかげさまでご好評いただいております。とにかく多くの中判カメラの紹介と使い方を取り上げようというコンセプト。そのため、どうしてもページ数の制約に直面し、フィルムの撮り比べ企画の作例が小さくなってしまいました。本を作っている身でありながら、ウェブにてフォローするというのもあれなんですが、せっかくの素材をこのままにするのはもったいない!と思いまして、当ブログにて再掲載していきたいと思っております。
フィルムにこだわるのはとてもおもしろい作業。そして、わずかな差に思い悩むのは、フィルムの表現力にこだわる上ではかけがえのないものではないでしょうか。
第1回目は、白黒フィルム、イルフォード編です。現像はプロラボの写真弘社さんで行い、データは自由が丘・ポパイカメラにて、富士フイルム業務機フロンティアを使用して作成。全フィルム同条件で行っております。白黒フィルムは、現像時の環境やプリントで大きく差が出てきますので、あくまで参考程度という感じであります。また、作例は共通場所からのものとなっております。テキストうんぬんではなく、描写を見ていただければ嬉しいなと思っております!
使用カメラはマミヤRB67、レンズはsekor 90mm F3.8、三脚使用です。
ILFORD PANF PLUS(感度50)
実勢価格:約500円(120/1本)
低感度の超微粒子として有名。さまざまなグレーが細やかに出ている印象を持ちます。グレー味がかって見えるのは、その階調が豊かさが要因ではないでしょうか。低感度フィルムは珍しいので、とても貴重な存在です。
ILFORD FP4 PLUS(感度125)
実勢価格:約500円(120/1本)
ラチチュードが広いフィルムです。水面の描写を見ると分かりますが、コントラストが高く、白と黒がはっきりと出ています。この写真より少しアンダー露出で撮った写真はさらに黒が締まって見えました。
ILFORD HP5 PLUS(感度400)
実勢価格:約500円(120/1本)
高感度のため粒状感のある粗い仕上がりになりました。空にも粒子が乗っています。水面はグレーがとても良く出ており、高感度ですが中間トーンの美しさを感じる撮り比べ結果です。
ILFORD DELTA 100
実勢価格:約550円(120/1本)
とても先鋭な描写をしました。クリアで緻密。ファインプリントに向くというのが撮り比べでも実感できるシャープネス。
ILFORD DELTA 400
実勢価格:約550円(120/1本)
取水塔の描写は緻密で繊細。そこに高感度ならではの粗さが加わりました。粒子+緻密さを味わえるフィルムという印象。
ILFORD DELTA 3200
実勢価格:約700円(120/1本)
超高感度フィルム。粗さを表現に活かすにはおもしろい選択かもしれません。室内での使用が多い人に重宝されます。
ILFORD SFX 200
実勢価格:約800円(120/1本)
とても特徴的なハイコントラストな描写。輪郭はくっきり、締まった黒、飛び気味のハイライトが印象的です。また、このフィルムは赤外線撮影もフィルター併用で行えるという珍しい特徴もあります。
以上、イルフォード編でした。
個人的にはPANF50の描写が階調豊かでいいなあと改めて思いました。でも、SFX200をワイルドに使うのも良さそうですよね。
イルフォードからは、このようにたくさんの白黒フィルムが発売されています。僕自身、この撮影時に初めて使う物もあり、おお、このような描写をするのか、と素直に良い経験になりました。使ってみないと、わからないものですよね。
次回は、個性派描写のフォマパン、ロモグラフィーを取り上げようと思います、
そして最後に、「中判カメラの教科書」いまだ絶賛発売中です!(笑)
大きな120フィルムを使ったフィルムライフに突撃したい方は、ぜひぜひ参考にしてみてください!
amazon
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