2014.02.28 Friday
6×9中判カメラもおもしろい! 「中判カメラの教科書」発売1周年企画、その3
中判カメラには、さまざまなフォーマットがあります。同じ120フィルムを使っていても、画面サイズによって、645(15/16枚撮り)、6×6(12枚撮り)、6×7(10枚撮り)、6×9(8枚撮り)と、撮影枚数が異なるのです。
645の代表的なカメラはペンタックス645シリーズ、マミヤ645シリーズ、フジフイルム645レンジファインダーシリーズなど。6×6はハッセルブラッド、ローライフレックスをはじめとする二眼レフ各種、6×7はペンタックス67、マキナ67、マミヤ7、マミヤRB/RZなどが代表機種。「中判カメラの教科書」では、6×7までの機種を厚めに紹介しています。
なぜかと言いますと、中判カメラを使う方の多くは、35mmカメラの画面比率3:2とは異なる比率を求めていて、6×6や6×7はとても人気だからです。しかし、構図を作るうえで3:2の比率に慣れ親しんでいて、でも35mmとは異なる高画質が欲しい場合、特に展示など作品つくりをしていて異なる比率が混在するのが嫌だなあというときは、がぜん同じ3:2の比率の6×9の価値が出てきます。
何より、6×6や6×7と一辺の長さが長いだけではありますが、その情報量の豊富さに圧倒されるのが6×9。ぜひ、その高画質を一度体感していただきたいです。
6×9のカメラは、報道での使用が念頭に置かれた「プレスカメラ」と「レンジファインダー」のものが主流。どちらもピント合わせは二重像を重ねるレンジファインダー式となっています。絞り優先AEや自動巻き上げの付いた機種もある他のフォーマットと異なり、フルマニュアル式でシンプルな機械式カメラばかり。少しだけ敷居は高いかもしれませんが、今はスマホの露出計アプリなどもある時代ですから、露出の選び方などの基本知識さえあれば簡単に使うことが出来ます。
少しだけ、代表的な6×9カメラを紹介します。
マミヤプレス SUPER23
プレスカメラの代表格です。レンズは交換式。フィルムバックも交換式で、6×7のものなどもあります。比較的安価で見つけられますが、とにかく大きくて重たいカメラ。一方で熱烈なファンも多く、豊富な交換レンズ群とアクセサリーが魅力です。最終モデルはマミヤユニバーサルプレス。SUPER23はアオリ撮影などにも対応しています。まあ、カッコイイのなんの。プレスカメラには、他にコニカ製のコニカプレスなどがあります。
マーシャルプレス
中判カメラで有名なマミヤの間宮精一氏が、このカメラだけを作りたくてマーシャル光学を設立。レンズはニッコールレンズが搭載されていて、この1台だけをマーシャル光学では作るという徹底ぶりでした。大きいですが軽量で、プレスカメラの中では持ち運びが楽です。ニッコールが付いていること、そしてマミヤという会社がありながら、どうしてもこのカメラを作ろうとした熱意。そんなドラマ的な部分からも惹かれるカメラです。
フジカGL690
レンズ交換式のレンジファインダー。レンズにシャッターが付いているレンズシャッター式で、写真の機種は、レンズに絞り優先AE機能を搭載した珍しいタイプです。このレンズ以外は、もっとスッキリシンプルなデザインとなっています。見た目は35mmのレンジファインダー風ですが、驚くほど大きく、それがまた道具感いっぱいでかっこいいです。ちなみに、このシリーズの初代機はG690。GL690と共通のレンズマウントです。美品は少なく、フィルムを装填したままレンズ交換をするための遮光幕が壊れたものが、よくジャンク品扱いで見つかります。レンズシャッター機でミラーなどはないため、遮光幕がないとフィルムが感光してしまうのです。レンズ交換をしない、という前提であれば遮光幕が壊れていても問題ない場合があります。ちなみに、すんごい安いです。数は少ないですが、飲み会3回分くらいかもという(笑)。
フジフイルムGW690III
G690からスタートしたフジフイルムの中判レンジファインダーの進化モデル。IもIIもあります。Gシリーズの金属ボディとは異なり、軽量化を重視してプラスチックボディに。他に6×7、6×8も同一のレンズ・デザインでラインアップされました。広角レンズ搭載モデルもあり、見た目はそっくりですが、GSW690と「W」が機種名に入っています。フジフイルムの6×9は、描写力が素晴らしく根強い人気があります。ルックスはGシリーズや初期のGW690などがカッコイイですが、持ち運びと製造年の新しさを考えると、GW690IIIが安心ではないでしょうか。新しめの機種のため、中古相場も少々高め。それでも、6×6の人気機種などに比べるとグッとお買い得です。
6×9で撮った写真をご紹介します。
FUJICA GL690
Kodak TRI-X400
FUJICA GL690
FUJICOLOR PRO400
FUJICA GL690
FUJICOLOR PRO400H
Marshal Press
Kodak PORTRA400
たしかに120フィルムで8枚という撮影枚数は、もう1本撮り終わってしまった…、という感覚に陥ってしまいますが、出来上がる写真はとても素晴らしいです。ぜひ、人気薄の6×9にもトライしてみてください! 人気薄…。自分で書いておきながら、悔しいです。個人的には、中判はいまほとんど6×9一本なので…。仲間が増えることを祈っております!
2014.02.26 Wednesday
ムック「中判カメラの教科書」発売1周年企画。「白黒120フィルム撮り比べ完全版2・フォマパン&ロモグラフィー編」
ムック「中判カメラの教科書」発売1周年企画、「白黒120フィルム撮り比べ完全版」の第二回目は、フォマパン&ロモグラフィー編です。フォマパンは、チェコのフォマ社が作っているフィルム。取り扱い店舗は少ないですが、まさに「ヨーロッパ調」というトーンが素晴らしいと思います。ロモグラフィーのフィルムは、やはり白黒フィルムという分野であっても、さすがロモグラフィーという個性的な写り。感度100、感度400の二種がありますが、こんなにも性格が違うのか!と驚きました。
こちらも、使用カメラはマミヤRB67。レンズはセコール90mmF3.8。撮影場所は多摩湖の堤防であります。
foma FOMAPAN 100
実勢価格:約500円(120/1本)
とても柔らかで、グレーが雰囲気いっぱいに出ています。これはハーフトーンをしっかりと出すとうフィルム設計によるものでしょう。どこかセピア調にも見える描写は、ヨーロッパの香りという感じがします。
foma FOMAPAN 400 Action
実勢価格:約500円(120/1本)
感度100と同様に中間トーンが豊富。やはりグレーが印象的な写りです。粒子感がよりレトロな風合いを助長しています。
Lomography Earl Grey 100
メーカーサイト販売価格:1,780円(120/3本)
衝撃を受けるほどのくっきりさ。まるでクロスプロセスの白黒版のようなハイコントラストです。唯一無二の描写をします。
Lomography Lady Grey 400
メーカーサイト販売価格:1,980円(120/3本)
FOMAPAN 400に似たハーフトーン重視、雰囲気重視の描写。粒状感はさらに強く、クラシカルな雰囲気を楽しめます。ちなみにFOMAPAN 400と裏紙などのデザインも似ており、ひょっとしたら同一なのかも、と思ったり思わなかったり。
以上、フォマパン&ロモグラフィー編でした。
僕も中判カメラは使いますが、この比較検証をした後、実を言うとフォマパンをかなり集中的に使いました。だって、この印象的なグレーを見たら、使わないわけにはいかないじゃないですか! そして、Lomography Earl Grey 100とLady Grey 400ですが、正規オンラインショップでは品切れ中。35mmは在庫ありでした。僕は量販店で残っていた在庫を見つけ購入。現在もどこかにあるといいのですが…。
ほんと、白黒フィルムはおもしろいですよね。さらに自家現像を自分なりのレシピで行ったり、手焼きで思い通りのプリントを作るという作業が加わると、もう病みつきになること必至。僕の中では、明らかにカラー写真とは違う性質のもので、それは撮るときの視点もですが、行程も含めて、「よし、白黒やるか」というような覚悟みたいなものが必要だったりします。それくらい、奥が深いし楽しみも多いということじゃないでしょうか。
amazon/中判カメラの教科書
2014.02.26 Wednesday
ムック「中判カメラの教科書」発売1周年企画。「白黒120フィルム撮り比べ完全版1・イルフォード編」
2013年2月27日に発売された「中判カメラの教科書」。発売から1年経過したいまも、おかげさまでご好評いただいております。とにかく多くの中判カメラの紹介と使い方を取り上げようというコンセプト。そのため、どうしてもページ数の制約に直面し、フィルムの撮り比べ企画の作例が小さくなってしまいました。本を作っている身でありながら、ウェブにてフォローするというのもあれなんですが、せっかくの素材をこのままにするのはもったいない!と思いまして、当ブログにて再掲載していきたいと思っております。
フィルムにこだわるのはとてもおもしろい作業。そして、わずかな差に思い悩むのは、フィルムの表現力にこだわる上ではかけがえのないものではないでしょうか。
第1回目は、白黒フィルム、イルフォード編です。現像はプロラボの写真弘社さんで行い、データは自由が丘・ポパイカメラにて、富士フイルム業務機フロンティアを使用して作成。全フィルム同条件で行っております。白黒フィルムは、現像時の環境やプリントで大きく差が出てきますので、あくまで参考程度という感じであります。また、作例は共通場所からのものとなっております。テキストうんぬんではなく、描写を見ていただければ嬉しいなと思っております!
使用カメラはマミヤRB67、レンズはsekor 90mm F3.8、三脚使用です。
ILFORD PANF PLUS(感度50)
実勢価格:約500円(120/1本)
低感度の超微粒子として有名。さまざまなグレーが細やかに出ている印象を持ちます。グレー味がかって見えるのは、その階調が豊かさが要因ではないでしょうか。低感度フィルムは珍しいので、とても貴重な存在です。
ILFORD FP4 PLUS(感度125)
実勢価格:約500円(120/1本)
ラチチュードが広いフィルムです。水面の描写を見ると分かりますが、コントラストが高く、白と黒がはっきりと出ています。この写真より少しアンダー露出で撮った写真はさらに黒が締まって見えました。
ILFORD HP5 PLUS(感度400)
実勢価格:約500円(120/1本)
高感度のため粒状感のある粗い仕上がりになりました。空にも粒子が乗っています。水面はグレーがとても良く出ており、高感度ですが中間トーンの美しさを感じる撮り比べ結果です。
ILFORD DELTA 100
実勢価格:約550円(120/1本)
とても先鋭な描写をしました。クリアで緻密。ファインプリントに向くというのが撮り比べでも実感できるシャープネス。
ILFORD DELTA 400
実勢価格:約550円(120/1本)
取水塔の描写は緻密で繊細。そこに高感度ならではの粗さが加わりました。粒子+緻密さを味わえるフィルムという印象。
ILFORD DELTA 3200
実勢価格:約700円(120/1本)
超高感度フィルム。粗さを表現に活かすにはおもしろい選択かもしれません。室内での使用が多い人に重宝されます。
ILFORD SFX 200
実勢価格:約800円(120/1本)
とても特徴的なハイコントラストな描写。輪郭はくっきり、締まった黒、飛び気味のハイライトが印象的です。また、このフィルムは赤外線撮影もフィルター併用で行えるという珍しい特徴もあります。
以上、イルフォード編でした。
個人的にはPANF50の描写が階調豊かでいいなあと改めて思いました。でも、SFX200をワイルドに使うのも良さそうですよね。
イルフォードからは、このようにたくさんの白黒フィルムが発売されています。僕自身、この撮影時に初めて使う物もあり、おお、このような描写をするのか、と素直に良い経験になりました。使ってみないと、わからないものですよね。
次回は、個性派描写のフォマパン、ロモグラフィーを取り上げようと思います、
そして最後に、「中判カメラの教科書」いまだ絶賛発売中です!(笑)
大きな120フィルムを使ったフィルムライフに突撃したい方は、ぜひぜひ参考にしてみてください!
amazon
2014.02.21 Friday
ロモグラフィーのグルグルボケがすごい一眼レフ用レンズ「Petzval(ペッツバール)」
ロモグラフィーから、グルグルボケ、トンネル効果が楽しめる一眼レフ用交換レンズ「Petzval(ペッツバール)」が発売されました。このレンズはクラウドファインディングによりプロジェクトがスタートし、初期にご応募された方の手元には、届きはじめているよう。現在も、ウェブから購入することができます。
ペッツバールのショップページはこちらです。
EFマウント用
Nikon Fマウント用
snap!鈴木は、雑誌「カメラマガジン」の企画のために、レンズをお借りして撮影をしてみました。撮影してみての感想は、現在発売中の「カメラマガジン 3月号」を見ていただけると嬉しいです。巻頭の「Catch Light」というコーナーに掲載されています。
感想はまた後日、当ブログにて掲載いたしますが、掲載作例のアザーカットを数点。
全てキヤノンEOS 5D MarkII、JPEGスタンダードモード。撮りっぱなしで手は加えていません。
2014.02.17 Monday
CP+2014、富士フイルムステージでのトークショー、ポパイカメラ石川専務×snap!鈴木「フィルムが好きです。でも、Xも好きです。」のご報告
横浜・みなとみらいで開催されたカメラの展示ショー「CP+2014」。あいにくの大雪で土曜日が中止になってしまいましたが、日曜日は快晴となり、多くの人で賑わいました。snap!鈴木は、盟友・ポパイカメラ石川専務と共に、富士フイルムのステージにてトークショーを行わせていただきました。そのご報告をさせていただきます。
トークショーのタイトルは「フィルムが好きです。でも、Xも好きです。」(笑)
お察しかと思いますが、某CM「キリンさんが好きです、でもゾウさんのほうがもっと好きです」からちょうだいしています…。現在、富士フイルムはXシリーズのデジカメが主力商品。ポパイカメラもsnap!鈴木も、「フィルムLOVE」というのは動かしがたい事実ですが、そんな中、ずっとフィルムを作り続けてきたXシリーズには、フィルムファンを納得させるだけの画質、操作感、そしてデザイン性があるという点をフィーチャーしようというコンセプトです。
このトークショーにあたり、石川専務もsnap!鈴木もXシリーズをだいぶ使い、それぞれに良さは見出しました。
石川専務は、クラッセシリーズやCONTAX G2を使っているかのような手軽さと、それら名フィルムカメラにあった光学ファインダー(ガラス素通しの見やすいファインダー)がお気に入り。そして、やはり夜間でも撮影できるという点は、フィルムにはないものという感想をお持ちでした。
snap!鈴木は、オールドレンズ大好き人間。最新機種X-T1のビューファインダーは、一眼レフに匹敵する見やすさと、往年の一眼レフでは標準的なスプリット式のピント合わせができる「デジタルスプリットイメージ」が搭載されているため、オールドレンズとの相性は抜群!というようなことを話しました。
でも、デジタルだと撮りすぎてしまう。結局は作品的な価値を自分の中で見出せず、パソコンに取り込み、ネットで公開をして終わってしまう、という「1枚に対する価値が希薄」という点は、フィルム好きにはどうしてもがまんできない部分ではないでしょうか。
それは、「プリントをしないから」「プリントをした時に、フィルムで撮った方がはるかに良いから」ということじゃないでしょうか。
そこで、Xシリーズで撮った写真をポパイカメラプリントをして、プリントのプロである石川専務はどんな感想を持つかを、トークテーマの中心に持ってきました。
こちらがポパイプリントをした写真。引き伸ばしプリントをパネルにして持って行き、実物もお見せしつつのトークとなりました。フィルムまではいかないものの、白の階調も豊か。しっかりクッキリ見せたいのであれば光沢プロペーパー、雰囲気を重視したければラスターやマットなど、ペーパー種を変えることで、イメージを変えてみるのがおもしろそうという、ふむふむ、というお話しを石川専務はされていました。ぜひ、デジカメプリントをする際にはマット系も使ってみてくださいね!
僕は、Xシリーズの緻密な描写力にビビリました。他社フルサイズ機+オールドレンズは良く使いますが、Xシリーズ+純正レンズはもちろん、オールドレンズを付けたときも、あれ、このレンズこんなにすごいのか!と思わせる力があったのです。そして、僕も雰囲気重視が好きという傾向があるので、マットペーパーとの組み合わせはいいなあと感じました。フィルムの場合は、光沢一本なのですが、デジカメプリントの場合は選択が変わりそうです。
さてさて、富士フイルムといえば、大人気のチェキ。もっとも気軽なフィルムカメラであり、1枚だけ、一期一会の写真がその場でできるというのは、とても素晴らしいことだと思います。加えて、mini90は、多重露光やバルブ撮影なども行え、創造性のある1枚を作るということもできる点が最高。snap!鈴木は、多重露光チェキ写真などをご紹介させていただきました。上半身男性、下半身女性の多重露光写真です。
トークショーは閉館時間直前というタイムテーブル。トークショー中に蛍の光が流れるという、なかなかなコンディションでしたし、打ち合わせ通りに行かない生々しい感じとなりまして、登壇している身としてはドキドキものでした。
閉館ぎりぎりにトークを聞いてくださった皆様には、本当に感謝しております。そして、プリントの用意など、ポパイカメラさんいつもありがとうございます。
いま求められているデジタルでもしっかりと写真を楽しむという提案、何よりフィルムはやはり最高ということを、自分自身の立場で出来る精一杯のことをこれからもやっていく所存でございます。僕自身、単なる写真好きのひとり。写真を楽しみ、試行錯誤していきます!
2014.02.09 Sunday
「20世紀☆カメラ」に参加してみて。物欲解禁と、ある感想に感動したこと。
ムック「20世紀☆カメラ」が、2月5日に発売となりました。
特集は「バースイヤーカメラを探せ!」。1950年から1年1ページで、その年に発売されたカメラ、社会情勢、カメラ業界の推移、を掲載しています。全220機種。特に注目の機種は1ページどん!と紹介していまして、各年代に4機種そういうピックアップ機種は登場します。
その他、アナログプリンターを使い続けているこだわりのお店「レインルーツ」の湯地信愛さんインタビュー、ブログ「シャッターガール」で有名な写真家・大村祐里子さんインタビュー、on and onさん&SX-70 by SWEETROADさんとの企画、大トリとして写真家・平間至さんが写真家人生を振り返るインタビューなどを掲載しています。
「20世紀☆カメラ」、おかげさまでとても好評のようです。
なんていう風に書くのは、編集としては参加しているけれど、企画・監修は、ガンダーラ☆井上さんがご担当しているからで、他の方が企画したものについて、純粋に編集者という立場から参加するというのは、実は僕にとってすごく久しぶり、写真・カメラ系では、実は初めてだったりするからなんです。雑誌の特集レベルではそういう立ち位置のことはありますが、丸一冊でこういう立ち位置は本当に初めて。
とても勉強になりました。
ガンダーラさんの原稿のきめ細やかさと知識。社会情勢、カメラの歴史と関連づけていくなんて、すごいです。そして、カメラ・レンズをちゃんとたくさん所有し、それを実際に使ってみること。バースイヤーカメラに出てくるカメラは、なんと私物がほとんどなのです。
そしてなにより、「写真を長く撮り続けること」。バースイヤーカメラ特集の最後には、バースイヤーカメラ登場機種で撮ったギャラリーページがあるのですが、実はよくよく見ていくとすごいんです。宇宙に行ったハッセルブラッドで撮ったNASA宇宙センター、ペンFで撮ったハーフカメラで知られるオリンパス・米谷氏、など、長きに渡って撮影したからこそ、そしてカメラに関する周辺知識があるからこその被写体選びに、編集をしていてビックリしたのです。
つまり、何が言いたいかというと、たくさんカメラとレンズを買い、たくさん僕も撮っていこうと。常に欲しいもの、気になるものはありますが、それは仕事上、自然なことなんだ! 買っても良いんだ! という割り切りが、この仕事を通じて得ることができたのは、僕の中でとても大きいです(笑)。単なる、物欲決意表明ですね(笑)。
いえ、でも単に買うのではなく、「なぜ惹かれるか」「この背景にあるものは」「使い込んでみて、何が見えてきたか」などは、今以上にしっかりと蓄積していきたいと思っています。カメラは歴史の積み重ねであり、それがどんな役割を担ったのかというものには、必ず背景があるのはおもしろいですよね。
長くなりましたが、ツイッターやブログを「20世紀☆カメラ」で検索していたら、とある方が、初めて使ったカメラは父からもらったとある機種で、それはバースイヤーカメラだった、何てわかりやすい理由なんだろう、というような内容のものを目にしました(あ、それ私が書きました、という方がいらっしゃいましたら、ここでざっくりとですが触れたこと、お詫びします。すごく胸に突き刺さったのです)。もう、これを見た時に、全ての難作業が報われました。カメラはメカとしても魅力ですが、結局は「愛」です。被写体や活動によっても違うのは重々承知ですが、根底に流れる「残そう」という気持ちは一緒ですよね。ハードメインの本に、「レインルーツ」さん、平間至さんなどに何とかご登場していただきたかったのは、そういう理由なのです。
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