2015.05.09 Saturday
山本春花「乙女グラフィー」写真集、通信販売のお知らせ
チームsnap!のフォトグラファーである山本春花の「乙女グラフィー」写真集の通信販売が、STORES.JPにてスタートしました。
これは、雑誌や広告、映像等で活躍する人気女性モデルの自然体な表情を追ったシリーズ「乙女グラフィー」をまとめたもので、4月14日からサイト青山A室で行われていた写真展でも発売されました。オールカラー90ページ、2160円。写真集の構成・デザインも作者自身が行った渾身の1冊です。
特筆すべきは、撮影がすべてフィルムカメラで行われているところ。フィルムを用意し、枚数に制約がある中で撮影し、それを現像・プリントし、セレクトした写真の色の方向性を決めるために見本プリントを行い、見本を基に写真展用の引き伸ばし&写真集用のデータ作成をするという、この行程。やはり、この行程の頓雑さがあるからこそ生み出されるものはあると思います。それでいて動きがあり表情豊かな写真がとても多く、フィルムという枚数に制限のある中で、動きを狙うというところが素直にいいなあ、すごいなあという感想を持ちました。
<参加モデル>
牧野リナ/早坂夏海/加藤才紀子/藤野有理/夏目志乃/あわつまい
円/長嶋りあん/新井郁/日向ひな子/武居詩織/るうこ
RIE(hair:ryoishiyama【ryoishiyama.com】)/中村小麦/荒井愛花
<hair&make>
吉岡ユウヤ
金田和樹(SHIMA青山)
中身はこんな感じであります。フィルム好きのみなさま、フィルムにうっすら興味のあるみなさま、美しい女性が好きなみなさま(みんな好きか!)ぜひ手に取っていただければと! 以下の通り、かわらしい女性のポートレート満載なのですが、裏に潜むテーマが実に興味深く、そちらも併せて見ていただくとおもしろいかもです。
2015.05.02 Saturday
オールドレンズを「実用」で使う楽しさ。変わる表現。個人的な映画と写真の関係。
新刊「オールドレンズの新しい教科書」(技術評論社/http://www.amazon.co.jp/dp/4774173568/)には、ほとんどコレクターズアイテム的なレンズは登場しません。高いレンズにはそれなりに理由があり、描写の面でも希少性の面でも魅惑的ですが、「オールドレンズを使う」最大の理由は、別にあると考えているからです。
レンズは表現の道具でしかなく、自分が撮りたい写真を効率良く実現してくれるレンズにこそ価値があるといます。レアかレアじゃないか。見栄えはどうか。などの色メガネをなくしてレンズ選びをすれば、安価なオールドレンズにも魅力的なものはたくさんあると思っています。高価なレンズをびくびく使うのなら、安価なレンズを毎日実用していった方が良いかもしれないですよね!
では、オールドレンズならではの描写とはどんなものでしょう。僕はデジタルカメラ+最新純正レンズを使うことも多いです。仕事ではもちろんこちらを使います。でも、ときにオールドレンズの描写が必要になります。オールドレンズはゴーストやフレアは写真を幻想的にしてくれるから大好き。周辺光量が落ちると雰囲気が良くなるから大好き。ピント面の滲みは柔らかさが出るから大好き。まだまだ技術的に発展途上だったものを崇拝するのは技術の進化の面から見るとダメなのかもしれないですが、オールドレンズで撮られた写真の雰囲気に心掴まれるのは事実だったります。
写真展や写真集を見るときは内容そのものを見ると思います。このレンズ特性がいいとかは関係ないですよね。でも、全体的な風合いはとても大切。そのような表現の味付けにオールドレンズは活躍すると思うのです。僕がどんな写真を撮りたいかといえば、ずっと大好きな映画というもの影響が根底にあります。映画を観ているときに、ストーリーと共に音楽や映像はとても重要。一度、全く時代と製作国は異なり、また鑑賞した時期が十数年開き作風も全く違うのに、すげえ良い色とフレーミングだ!と感じた映画が、調べてみたら同じ撮影監督だったことがあったんです。ちなみに、香港映画「恋する惑星」と、ジム・ジャームッシュの「リミッツ・オブ・コントロール」。「恋する惑星」はド有名ですが、「リミッツ・オブ・コントロール」はさほど注目されておらず、また前情報なしに観たのに映像にしびれたんです。写真におけるレンズ選びって、たぶんこういうことに近いのではないでしょうか。かなり個人的感覚を書きましたが、同じように映画や音楽が好きだったり、ファッション誌が好きだったりして、現実の世界をいかに高描写で切り取るかということではなく、感覚的な部分で写真の好みを選別する人にとって、オールドレンズは心強い味方になる気がするのです。
つまり、「表現」という点においてオールドレンズは重要な存在であるということ。「オールドレンズの新しい教科書」発刊に前後して、交流のある写真家さん複数人から、オールドレンズの導入の相談を受けたのも、偶然ではないと思っています。そんなわけで、本書は実用を念頭に入れた比較的リーズナブルなレンズをメインにしています。初めてのオールドレンズという方に向けた使い方なども入れていますので、これからトライしたいという方にも読んでいただきたいです。写真で何を撮るかって、すごく悩むところだと思います。オールドレンズを入手し、その描写にわくわくし、自分で狙いを定めてピントをMFで合わせる。そこに魅力を感じて、撮影枚数が増えれば、それは素晴らしいことだと思っています。
Leitz Wetzlar Summar 5cm/f2
Helios44-2 58mm/f2
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